アメリカにおけるウォルマートのクリック&コレクトピックアップソリューション

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ウォルマートからの一大発表

2015年、ウォルマートは電子商事業を強化することで、売上の成長を促進するためにデザインされた新しいオムニチャネル戦略を発表しました。 主な動機は、世界中の小売業界を変えつつある、電子商取引の巨人であり市場の変革者であるAmazonに先んじることでした。

計画

  • 実店舗でのオムニチャネルエクスペリエンスの向上
  • サプライチェーンの機能を最適化してコストを削減
  • 顧客との深いデジタル関係を構築

新しいオムニチャネル戦略の一環として、ウォルマートはクリック&コレクトテクノロジープロバイダに目をつけました。

目標は、BOPIS(Buy Online Pickup in Storeの略、オンラインで購入し店舗で受け取る) ソリューションを見つけることでした。 このソリューションにより、オンライン注文から店舗でのピックアップへと、顧客のスムーズなアクセスが保証されるようになります。 ウォルマートは、2016年に試験運用プログラムにCleveron 401(別名:ピックアップタワー)ソリューションを選びました。 試験が成功した後、ウォルマートは全米の店舗にCleveron 401の導入を決めました。 2019年末までには、全米に約1600台のピックアップタワーが設置される予定です。 さらに、ウォルマートはカナダの数店舗にもピックアップタワーを設置しました。

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クリック&コレクトの課題

ウォルマートの新しいオムニチャネル戦略には、顧客を引き付けるという彼らのビジョンを実現し、顧客の時間とお金の節約に繋がるクリック&コレクトソリューションの実装が含まれていました。 電子商取引や小包の量の増加により、効果的なクリック&コレクトソリューションが解決に役立つ課題がいくつか浮き彫りになりました。

クリック&コレクトピックアップの運用コストの削減

効果的なオムニチャネル戦略とは、オンデマンドで配送したいというお客様の期待に応えるものです。 そのためには、サプライチェーンと物流の流れをリニアモデルから分散モデルへと変える必要があり、実質的に、実店舗を電子商取引の配送センターに変えるということになります。 これにより、サプライチェーンおよび物流のコストが大幅に削減されます。

  • 店舗内のストレージコストを削減 – 小包の量が急速に増加すると、店舗内の貴重な収容スペースを占有してしまいます。
  • 店舗の人件費を削減 – 手動によるクリック&コレクトピックアップは労働集約型のサービスであり、小包の量の増加とともに人件費も増加します。

ラストワンマイル配送を解決する

クリック&コレクト技術により、ウォルマートは6,700台以上のトラックを駆使し、配送センターから4,700ヶ所の店舗に商品を直接配送することで、ラストワンマイル配送のコストを削減しています。 これは、輸送コストの大幅な節約を意味します。

これらのコスト削減は顧客に還元され、使いやすさや利便性を提供しながら、引き続き従来どおり価値やコスト削減をお客様にお届けしていきます。

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クリック&コレクトソリューション

Cleveron 401(別名:ピックアップタワー)

ウォルマートは、店舗の入り口のレジの側に、高さ約16フィート(5メートル)、幅8フィート(2.5メートル)でそびえ立つ Cleveron 401 パックロボット(別名:ピックアップタワー)を設置しています。 ウォルマートの顧客は、Walmart.comで利用可能な何100万ものアイテムから選択し、支払いの際に「ピックアップ」オプションを選択するだけです。

商品が地元の店舗に到着すると、従業員がそれをピックアップタワーに収容します。ウォルマートの場合、小型から中型までの最大300個の荷物を収容できます。 顧客はウォルマートのスマートフォンアプリまたはEメールを通じて通知を受け取ります。 来店すると、顧客はピックアップタワーに進み、スマートフォンに届いたバーコードをスキャンさせます。 注文品は1分以内に受け取れます。


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Cleveron 402

ウォルマートは、Cleveronの最新ソリューション、Cleveron 402も活用しています。 Cleveron 402もまた、自動店舗内クリック&コレクトピックアップのセルフサービスソリューションですが、拡張性があり、226個から最大1400個までの小包を同時に収容できます。

Cleveron 402について詳しく見る
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1600
2019年末までにウォルマートに設置されるCleveronのターミナル台数
480 000
2019年現在のターミナルのドアおよびトレーの数
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クリック&コレクトの結果

Forbesによると、クリック&コレクトピックアップ 市場において、ウォルマートはAmazonよりもかなり優位に立っており、Cleveronのパックロボットはウォルマートが優位に立つ上で重要な役割を果たしているとのことです。

ウォルマートのオムニチャネル戦略では、ピックアップタワーは、自動クリック&コレクトセルフサービスピックアップソリューションを提供しています。 顧客は迅速かつ容易に利用できるピックアップ体験を通して時間やコストを節約できます。

試験運用が成功した後、ウォルマートはピックアップタワープログラムを全国各地で展開すると発表しました。 2019年末までには、約1600台のピックアップタワーが設置され、アメリカの人口の半数以上が高速ピックアップオプションを利用できるようになります。 ピックアップタワーにはそれぞれ隣接するピックアップロッカー(写真参照)が隣接しており、より大型の商品も受け取れます。  

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コストの大幅な削減

自動クリック&コレクトピックアップソリューションであるCleveron 401は、どのような手動クリック&コレクトピックアップサービスと比べても、効率性が80%も高くなります

  • Cleveron 401は、わずか5.4m²の設置面積に最大で500個のアイテムを収容できます。
  • 自動化されたセルフサービスのピックアップにより、小包の取り扱いコストが削減されます。
  • 店舗内のクリック&コレクトピックアップにより、ラストワンマイル配送のコストが削減されます。

カスタマーエクスペリエンスの向上

ウォルマート U.S.セントラルオペレーション担当上級副社長、Mark Ibbotson氏は、2018年のShoptalkカンファレンスで、ピックアップタワーを設置した店舗のNPSスコアが、500ベーシスポイント成長したと語りました。 NPSスコアは、製品またはサービスに対する顧客の全体的な満足度と、顧客のブランドに対する忠実度を評価するための代用指数として使用されます。

Amazonとの競争

アメリカ人の90%はウォルマートの店舗から10マイル以内に住んでおり、週に1億4,000万人以上の顧客にサービスを提供しています。 物理チャネルとデジタルチャネルを統合するための新たなオムニチャンネルイニシアティブを立ち上げることにより、ウォルマートは、その巨大な実店舗面積を大いに活用し、Amazonに対抗することができます。

クリック&コレクトソリューションを通じたコスト削減は、ウォルマートがピックアップ割引などの割引プログラムを開発し、Amazonのプライム会員モデルへの対抗にも寄与しました。

来店者数と売上の増加

店舗内のクリック&コレクトピックアップにより、オンラインへのアクセス数が実店舗への来店数へと変わります。 ウォルマート U.S.セントラルオペレーション担当上級副社長、Mark Ibbotson氏は、2018年のShoptalkカンファレンスで、Cleveron 401(別名:ピックアップタワー)を設置した店舗の店頭売上が増加したと語りました。

2017年のホリデーショッピングシーズンの 消費者購入動向 に関する調査では、買い物客の40%クリック&コレクトを利用し、そのうち90%が店舗で1度追加商品を購入したことが明らかになりました。

電子商取引の収益の増加

2018年4月、ウォルマートは、ピックアップ割引を発表しました。これは、顧客がオンライン限定の商品(店頭非売品)を購入し、任意のウォルマートの店舗に配送してピックアップするもの(BOPISの利点)に対する割引です。

ウォルマートについては、2018年の電子商取引の成長率が40%と高くなるとも予測されています。

エンドカスタマーからのフィードバック


ウォルマートのピックアップタワー体験についての初期フィードバックでは非常に肯定的な声が寄せられ、多くの消費者が製品のピックアップスピードや使いやすさに衝撃を受けていました。

あるミレニアル世代の買い物客は次のように述べています。 「速さが求められる現代にとっては、とても素晴らしいアイデアだと思います。」 ピックアップタワーを試したBusiness Insiderの記者は次のように述べています。 「商品を取り出してすぐに店を出ました。 これまでウォルマートで実施した中で、最も簡単で便利な体験でした。」
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ハードウェア

ウォルマートは、クリック&コレクトピックアップを自動化するために、Cleveron 402の他にもCleveron 401を導入しています。

ソフトウェア

ウォルマートは、カスタムユーザーインターフェイスを備えており、当社は彼らのバックエンドシステムとの統合を構築しました。

メンテナンス

Cleveronによるリモートモニタリング、ベル&ハウエルによるリモートメンテナンスおよびオンサイトメンテナンスを提供します。
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「私の個人的なお気に入りの1つは、当社の ピックアップタワー です。 オンライン注文のためのハイテク自動販売機のようなもので、当社の数店舗に設置されているこの装置により、お手持ちのスマートフォンに届いたバーコードをスキャンすることで、わずか1分以内に商品をピックアップしていただけます。 試験運用段階は非常に成功しており、全国各地にも拡大しています。」

Mark Ibbotson
ウォルマート U.S. セントラルオペレーション担当上級副社長

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世界最大のファッション小売業者であるInditexは、ロボット工学ベースのクリック&コレクトパーセル配送ターミナルを使用して、顧客が店舗で迅速かつ直感的にセルフサービスのピックアップシステムを利用できるようにしています。 Inditexは店舗とオンラインを統合することでショッピング体験を向上させ、顧客の期待に応えるためにあらゆる境界を取り除いています。

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店内における小包の受け渡しをより迅速かつ使いやすくする、Asda (アズダ)のオンライン注文のためのクリック&コレクトソリューションです。

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Tarmo Tamm  

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